市内唯一の『虫送り』

2015 06 09
胆沢区若柳市野々の山の神さまに6月7日(日)の夕方、集まっていたのは、
市野々地区のみなさん、お年寄りから子供たちまで、
これから始まるのは、奥州市内でも唯一残っている風習、『虫送り』の行事。
市野々虫送り保存会のみなさんによって伝えられています。
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昔は馬留から出発していましたが、ダム工事などで石碑等の移動も行われたため、
現在はこの場所からの出発、別当の安倍さんが代表して神様を拝んだ後、
お神酒や子供たちにはジュースがふるまわれ、法螺貝の音を合図にいよいよ出発です。
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子供たちは手に桑の枝をもち、『オクレオクレヤイネノムシオクレヤ』と唱えながら歩きます。
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地域のみなさんは法螺貝の音が近づいてくるとおやつや飲み物をもって門口に立ち、
虫送りのご一行が来るのを待っています。
一軒一軒からさまざまにふるまわれ、最終地点電源前まで到着するまでに
子供たちのお腹もいっぱいになることでしょう。
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ある一軒のお宅では団子を枝にさしたものを子供たちに渡していました。
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昔は、このように団子をさした枝を門口にさした木に括り付けておき、
それを子供たちが集めていったというお話も聞くことが出来ました。

昔、この行事への参加を嫌がっていた小学生だった息子さんも、自分がお父さんになると、
子供たちを送りだすようになる・・・その時代によって、大切にされたり、
面倒がられたりしながらも、このように続けられてきた虫送りの行事。
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ワイワイガヤガヤ夢中になってその季節の行事を楽しむ大人達の姿、その姿を見ながらこの子供たちは
大人になり、親になり、そして初めてこの地で育まれてきたこと、その価値を知るのかもしれません。

前回の記事もご覧ください。→2013-06-11 オクレオクレオクレヤ イネノムシ オクレヤ
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